こんにちは。
天パさんです。
で簡単に論文の種類を紹介しました。
今回は紹介した論文の中でも、Full paper(原著論文)がどのような構成なのかを深堀していきたいと思います。
原著論文は主に
Abstract: 概要
Introduction: 背景
Experimental(Materials and Methodsとすることもある): 実験
Results and discussion: 結果と考察
Conclusions: 結論
Reference: 参考文献
で構成されています。
詳細は
- Abstract: 概要
- Introduction: 背景
- Experimental: 実験
- Results and Discussion: 結果と考察
- Conclusions: 結論
- Reference: 参考文献
- お勧めの読み方(筆者の読み方)
で述べていきます。
Abstract: 概要
文字通りこの論文はどのような内容で、どのような結果になったのかを簡潔に述べるパートになります。
中にはOpen Accessと言って、無料で閲覧できる原著論文もありますが、一般的に原著論文は購入しないと閲覧することができません。
しかしながら、このAbstract(以下、Abst.)だけは読むことができることが大半なので、このAbst.を読み、お金を払ってまで読む価値がありそうかを判断します。
(大学や研究機関、企業では出版社と年間契約することで、学生や社員が読み放題状態になっていることもあります)
適当に「Nature CO2」でググって見つけた論文
でもAbst.は読むことができますね。
Introduction: 背景
この研究を行った意義や意味、モチベーションを述べるパートです。
先ほどの論文はAbst.しか読んでいませんが、CO2関係論文の多くは「温暖化」について述べていることが多いです。(私の主観です)
過去に報告された論文を引用しながら、これまで人類が分かってきてる内容をつらつら書いていきます。
引用元は後述する参考文献に明記し、すぐに引用元が分かるようにしておきます。
先ほどの論文では、Abst.にも論文引用がされていました。
文末の数字が引用の目印で、どの数字がどの論文から引用したのかを示しています。
Experimental: 実験
実験方法を紹介するパートです。
イメージはクックパッド的な感じです。
どんな薬品(食材)を使って、どのように合成(調理)したのか、どのように評価(味見)したのかを記載していきます。
※()内は料理をイメージ
この時、どこのメーカーのどんな装置を使ったかまで記載します。
第三者がこのExperimentalを見ながら、同じ実験をしたら同じ結果が得られるように書いていきます。(実際は書かないノウハウがあることが多い)
そういった意味でも料理のレシピに近いと思います。
Results and Discussion: 結果と考察
文字通り実験結果と、その結果から考えられることを述べていきます。
ここが研究者の腕の見せどころで、得られた実験結果から些細な事象も見逃さないことが重要です。
たまに(よく?)妄想に近い考察を述べている論文もあります。
このパターンは話が飛躍し過ぎて参考になりません。
かといって、実験結果(事実)を淡々と述べているだけでは、読んでる側としたらつまらないんですけどね…笑
Conclusions: 結論
どんな結果が得られて、どんなことが考えられるかを端的に述べていくパートです。
要はまとめですね。
つらつら長く書くのではなく、簡潔に要点がまとめてあります。
Reference: 参考文献
先ほども書きましたが、Abst.やIntroductionでは先人達の結果を紹介しながら話を進めていきます。
もちろん結果や考察でも、これまで報告されてきた事象や考え方を引用しながら議論を深めていきます。
この時に引用された論文をリスト化するパートがReferenceです。
俗に言う「巨人の肩の上に立つ」というやつです。
お勧めの読み方(筆者の読み方)
あくまでも私のお勧めにはなりますが「Abst.→Conclusions→Experimental(専門分野であればざっと読む)→Results and Discussion→Introduction(目的によって早い段階で読んだり、読まなかったり)」となります。
まずAbst.から読む理由は、ざっくりと全体を把握してから読み進めた方が、彼らがどんなことを議論したいのか理解ができるからです。
次にいきなりConclusionsに進むのは、まとめを頭に入れておくことで、論文中で行う実験内容や考察が理解しやすくなるからです。
この2つ以外はあまり順番を気にしていません。
慣れた分野では、図表を見るだけでなんとなくどんな内容なのか予想が出来るようになります。
予想が外れることもあるので、重要そうな論文だと結局は精読しているんですが…笑
今回の学び: 巨人の肩の上に立ちましょう
2023.8.1