お久しぶりです。
天パさんです。
皆さん、これまでに「○○大学の研究によると」や「○○大学の論文によると」という言葉を聞いたことがあると思います。
しかし、同時に「この情報ってどれだけ信じて良いの・・・?」とも思ったことがあるんじゃないでしょうか。
そこで、その情報(特に著者や論文)がどれほど信頼できるものなのか調べる方法を、何回かに分けて書きたいと思います。
(本当はこの記事にまとめるつもりが、想像以上に多くなってしましました)
論文とは
皆様お馴染みのWikipediaによると
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論文(ろんぶん、英: paper)とは、学問の研究成果などのあるテーマについて論理的な手法で書き記した文章。
また、特定の研究成果についての記述ではなく、あるテーマについて論述する論文の一つの形式として小論文(レポートともいう)がある。論文の書き方のことをアカデミック・ライティングという。
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論文 - Wikipedia (2023年7月21日引用)
と説明されています。
私は化学系出身のため、科学系論文の話をさせていただきます。
論文の種類
1. Full paper
日本語では、原著論文と呼んだりします。
英語ではFull paperのほか、ArticleやJournalと呼ぶこともあると思います。
論文といえば、普通はこの原著論文を指し、後に記載するReviewやLetter, Communicationとは分けて考えることが多いと感じます。
(人によって異なるかもしれませんし、私が勉強不足の可能性もあります)
原著論文は新しい事実や成果を報告するモノですが、取り扱う問題は1つです。
取り扱う問題を明確にし、なぜその検討を行ったかの目的、どのような結論になったのかを明確にする必要があります。
例えば、
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目的: 地球温暖化が叫ばれており、温室効果ガスである二酸化炭素を削減する必要がある。そのため、今回〇〇という技術で二酸化炭素を削減できるか調べた。
~実験方法や結果および考察など~
結論: 〇〇という技術で××%の二酸化炭素を削減できた。
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みたいな感じですかね。
また、一般的には実験方法や結果に再現性が求められています。
再現性とは、書かれている手順を守って実験すれば、誰がやっても同じ結果が得られるということです。
(実際は実験者によって結果がバラツクことが多く、ヒューマンエラーと呼んだりします)
2. Review
日本語では総説論文と呼びますが、レビューと呼ぶ法が一般的な気がします。
レビューは特定の分野やテーマに関する先行研究を集め、体系立ててまとめることで、その分野やテーマの概説や研究動向、展望を示すことを目的としています。
そのため原著論文とは異なり、新しい事実や成果を報告するモノではありません。
レビューはその分野やテーマを俯瞰して捉える事が出来るだけではなく、何が解決されていて、何が解決されていないか、言及されているため、その分野の研究を始める上でまずは読むべき論文という印象です。
私が過去に在籍していた企業では、原著論文よりレビューを読むことを重要視していました。
私自身、残念なことにReviewの投稿・掲載経験はないので詳しくは知りませんが。その分野において、ある程度知名度を得た人に依頼が飛んでくるような気がします。
少なくとも、私も周りはそんな感じでした。
3. Letter/Communication
レターやコミュニケーションは速報性を重視した論文となります。
論文はNatureやScienceのような学術雑誌に掲載されるのですが、原著論文では学術雑誌に掲載されるまで時間を要します。
(査読[さどく]と呼ばれる審査があるためで、査読がどんな感じなのかは今後書こうと思います)
そのため、新規性と独創性をできるかぎり早く確保したい場合や、その分野の研究者に成果を早く伝えたいために用意されているのがレターやコミュニケーションです。
これらも査読はあるのですが、原著論文に比べると査読期間は短いようです。
こちらも私は投稿したことないので、自信をもって詳細を述べられません。。。
4. Theisis
これは俗にいう博士論文のことです。
博士論をは博士後期過程(一般的には3年前後)の総まとめなので、ボリュームがあるため、日本語で書こうと英語で書こうと大変です。
外部での査読はありませんが、大学内で発表会を含む審査会などがあり、その大学お墨付きを頂けるという認識です。
如何でしたでしょうか。
今回は、論文といっても色々な種類があることを書かせていただきました。
次からは、査読の流れやGoogle ScholarやScience Directを使用した論文検索方法、その科学雑誌の影響力の大きさを可視化したインパクトファクター(Impact Factor: IF)などについてマイペースに更新していこうと思います。
今回の学び: そういえば原著論文と博士論文しか執筆したことがありませんでした。
2023.7.23