こんにちは。
天パさんです。
今回は初めて化学っぽい内容を書こうと思います。
皆さん、水素はご存知ですか?
最近、地球温暖化の原因と考えられている二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料として注目を集めており、水素エネルギーや新エネルギーとしてニュースなどで取り上げられることがありますね。
突然ですが、水素って何色だと思いますか?
Wikipediaでは無色と記載されています。
しかし、ニュースなどで「グリーン水素」や「ブルー水素」、「グレー水素」と見聞きされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
無色なのにグリーンやブルー、グレーと色があるの?って思いますよね。
実は水素の作り方で色を付けようってことがあり、無色の水素に色がついている訳です。
戦隊レンジャーの赤、青みたいなものですかね。
(なんかちょっと違う気が。。。笑)
簡単に彼らを紹介したいと思います。
天然ガスや石炭といった化石燃料から作る水素を「グレー水素」と呼びます。
これは水素を作る際にCO2を出してしまいます。
なので、グレー水素を使うだけではCO2削減に貢献できません。
グレー水素を作った時に出てきたCO2を地中に埋めることで、空気中のCO2を増やさないようにした水素を「ブルー水素」と呼びます。
グレー水素に比べてCO2を地中に埋める作業が増えるため、技術難易度とコストが増します。
(ちなみに地中に埋めることをCCS: Carbon dioxide capture and storageと呼び、有効利用することをCCU: Carbon capture and utilization、CCS+CCUをCCUSと呼んだりします)
化石燃料を原料にしても、CO2を排出せずに水素を得ることもできます。
例えば、天然ガスの主成分であるメタンガス(CH4)を
CH4(メタン) → 2H2(水素) + C(炭素)
のように反応させてしまえば、CO2炭素ゼロで水素が得られますね。
このような水素を「ターコイズ水素」と呼びます。
ターコイズ水素の実用化は住友化学などが注力しているようです。
また、グレー水素の中でも褐炭といわれる石炭を原料にした水素を「ブラウン水素」と呼びます。
この水素は非常にCO2排出量が多く、CO2排出量を削減するためには先ほどのCCUSが有効になってきます。
次から紹介する水素は、電気を利用した水素になります。
皆さん、学生の時に「水の電気分解」を勉強したことはありますでしょうか。
君も化学者! 水を電気分解してみよう! : 日本化学会 化学だいすきクラブ
水(H2O)に電気を流すと、水素(H2)と酸素(O2)がでてくるというやつです。
この時し使用する電気の種類によっても、水素の色が決まってきます。
原子力発電所で発電した電気を用いた、水の電気分解水素を「イエロー水素」もしくは「パープル水素」と呼びます。
また、木材などのバイオマスから発生したガスから得られた水素を「パープル水素」と呼ぶことがあるらしいです。
そういえば私の場合、原子力発電で発電した電気を使用した場合、イエローとするって習った気がします。
(この辺、少し自信ありません。。。)
最後に、近年非常に注目を浴びている「グリーン水素」を紹介したいと思います。
グリーン水素は太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギー由来の電気をしようした水の電気分解で得られた水素の事です。
これは非常にエコだと考えられており、様々な研究機関、企業が商業化に向けて日々研究開発に励んでいます。
エコではあるのですが、現在の技術では電極に貴金属を使用したり、特殊な膜を使う必要があるためコストという観点では商業化まで道半ばという感じです。
再生可能エネルギーで得られた電気(余剰分)については、水素にするのではなく、電池に貯蔵すれば良いというグループもいたり、まだまだ議論すべき点も多いですが、革新的な技術が誕生するのを楽しみに待ちましょう。
私も今のポジションで、すこーーーしエネルギーのことを研究開発しているので、微力ながら人類の進歩に貢献できればと思っています。
今回の学び: 目に見えない色って存在するんですね。
2023.6.24
(サムネ用画像追記)